「大手企業のSalesforceデータが盗まれたって聞いたでしゅけど、SalesforceってAWSみたいなものでしゅよね?そんなに簡単に攻撃されるんでしゅか?」
「47M件って47万件でしゅか?……47百万件でしゅか?!」
ShinyHuntersは今年だけでOracle PeopleSoftのゼロデイを悪用し、Mandiantが100組織超に通知を送り、今回はSalesforceの設定不備を突いて47M件超を盗み取った。規模も手口も年々大型化しているグループだ
設定不備ってことは、Salesforceにバグがあったわけじゃないんでしゅか?
大企業が使う著名なCRMプラットフォーム「Salesforce」の設定不備を突き、ShinyHuntersが知財管理大手のQuestel SAS(フランス)、眼科専門医療機器メーカーのAlcon Inc.(スイス)、医療レーザー企業のLumenis Be Ltd.(イスラエル)から計47M件超の個人情報を盗み取ったと主張しています。
3社とも2026年8月2日にShinyHuntersのリークサイトに掲載され、8月4日までに連絡しなければデータを公開すると脅迫されました。
- ShinyHuntersが2026年8月2日、Questel(21M件)・Alcon(25M件)・Lumenis Be(1.1M件)の計47M件超のSalesforceデータを盗取したと主張
- 攻撃は2025年9月から続く「Salesforce Aura Campaign」の一環。Salesforce Experience Cloudの設定不備(ゲストユーザーアクセス制御の欠如)を悪用
- 3社はいずれも8月4日時点で公式声明を出しておらず、各社のSalesforceのログ精査と設定見直しが急務
目次
Questel・Alcon・Lumenis Be——被害3社の概要
Questel SASはパリ本社の知的財産管理・特許・法律業務の大手SaaSプロバイダーです。
Alcon Inc.はスイスに本社を置く眼科専門の世界的医療機器・製薬企業、Lumenis Be Ltd.はイスラエルの医療レーザー・光治療機器メーカーです。
なぜバラバラな業種の3社が同時に攻撃されたんでしゅか?
3社に共通するのはSalesforce Experience Cloudを使っていたことだ。ShinyHuntersは2025年9月からSalesforceの設定不備を利用して大量のデータを収集するキャンペーンを展開しており、今回はその延長線にある
各社のShinyHuntersによる主張の概要は以下のとおりです。
| 企業名 | 国 | 盗取主張 | 脅迫期限 |
|---|
| Questel SAS | フランス | 21M件のSalesforceレコード + 147GBの社内データ | 2026年8月4日 |
| Alcon Inc. | スイス | 25M件のSalesforceレコード | 2026年8月4日 |
| Lumenis Be Ltd. | イスラエル | 1.1M件のレコード + 176GBの社内データ | 2026年8月4日 |
盗取されたとされるデータには顧客・従業員の氏名・メールアドレス・電話番号・住所等のPIIが含まれます。
3社は2026年8月4日時点でいずれも公式声明を出しておらず、被害の確認中とみられます。
Salesforce Aura Campaignの手口——設定不備を自動スキャンで突く
SalesforceってISO 27001も取ってる大企業なのに、なんで攻撃されるんでしゅか?
Salesforceのプラットフォーム自体に脆弱性があったわけではない。Salesforce Experience Cloudを使う企業側の設定が不十分だったんだ。具体的には、ゲストユーザーに過剰なアクセス権限が与えられていた
ShinyHuntersが2025年9月から展開している「Salesforce Aura Campaign」の手口は以下のとおりです。
- Salesforce Experience Cloud(外部向けポータル)の/s/sfsites/auraエンドポイントを悪用
- ゲストユーザー(未認証の外部ユーザー)へのアクセス制御が不適切な組織を自動スキャンで特定
- MandiantがリリースしたオープンソースのAuraInspectorツールを改造し、Aura APIを通じて大量データを自動抽出
- AuraのgetItemsメソッドのsortByパラメーターを悪用してレコード取得制限を回避し、大量データを一括取得
Mandiantが2026年1月に公表して以降も攻撃は継続しており、推定300〜400組織が侵害を受けたとされています。
今回の攻撃で特に注意が必要な点は以下のとおりです。
- Salesforce自体の脆弱性ではなく「設定ミス」が根本原因で、多くの企業が知らずに同じ状態にある可能性がある
- AuraInspectorは元々セキュリティテスト用の正規ツールであり、内製対策ツールとのシグネチャマッチングが難しい
- B2Bの大手顧客情報を持つ企業のSalesforceは特に標的になりやすく、流出データのダークウェブ価値が高い
まとめ:Salesforce Experience Cloudのゲストユーザー設定を今すぐ見直す
ShinyHuntersの「Salesforce Aura Campaign」は、使い慣れたプラットフォームの設定不備が大規模なデータ流出に直結することを示しています。
SalesforceのSecurity Health Checkを実行したことがない、またはExperience Cloudのゲストユーザー権限を見直したことがない組織は、今すぐ確認が必要です。
うちもSalesforceを使ってるんでしゅけど、どこを確認すればいいんでしゅ?
ふふふ、最優先はExperience Cloudを使っているかどうかの確認だ。使っているなら、ゲストユーザープロファイルに与えられているオブジェクト・フィールドのアクセス権限を棚卸しする。不要な権限はすべて剥奪することが基本だな
今すぐ取るべき対応は以下のとおりです。
- Salesforce Security Health Checkを実行し、スコアと重大な設定不備を確認
- Experience Cloudを使用している場合、ゲストユーザープロファイルのオブジェクト・フィールドレベルのアクセス権限を最小化
- Salesforce APIへのアクセスログを確認し、/s/sfsites/auraへの異常なリクエストがないか調査
- AuraInspectorや類似ツールからの大量APIコールがないか、CASBやIDPのログで確認
- 顧客・従業員データが含まれるSalesforceオブジェクトに対して最小権限原則(PoLP)を徹底
設定ミスによるデータ漏洩は、適切な設定レビューと権限管理の習慣化で防げます。