「TeamCityを使っているけど、今回の脆弱性の影響を受けているのか分からない」
「CISAのKEVに追加されたって聞いたけど、うちは対応が必要なの?」
ボスボス!JetBrainsのTeamCityにやばい脆弱性が出たって聞いたんでしゅ!パスワードなしでサーバーに入れるって本当でしゅか?
本当だ。CVE-2026-63077——CVSS 9.8の最重大クラスだ。CISAが既知悪用脆弱性カタログに追加し、連邦機関には8月8日までの修正を命じた。他人事と思っていたら危ないぞ。
CI/CDインフラを狙った攻撃への不安は尽きないものです。
この記事では、CVE-2026-63077がどのような仕組みで悪用されるのか、そしてどう対応すべきかを整理します。
- JetBrains TeamCity On-Premisesに認証不要のRCE脆弱性(CVE-2026-63077、CVSS 9.8)が発覚し、実環境で悪用が確認された
- 攻撃者はエージェントポーリングプロトコルを悪用してOSコマンドを実行でき、CI/CDサプライチェーン全体が危険にさらされる
- CISAがKEVカタログに追加。バージョン2025.11.7・2026.1.3へのアップグレードが急務
脆弱性の仕組みと対応策を押さえることで、自社のCI/CD環境を守るための判断材料が手に入ります。
目次
CVE-2026-63077とは——パスワードなしでサーバーを制御できる欠陥
JetBrains TeamCity On-Premisesに、信頼できないデータのデシリアライゼーションを起因とするリモートコード実行(RCE)脆弱性が確認されました。
CVSSスコアは9.8と最重大クラスで、認証不要・ユーザー操作不要のため、インターネットに露出したインスタンスは特に危険な状態にあります。
攻撃者はどこから侵入するのか
攻撃の入口は「TeamCityエージェントポーリングプロトコル」です。
通常、TeamCityのエージェント(ビルドを実行するノード)はサーバーに対して定期的にポーリングを行い、ジョブを取得します。
CVE-2026-63077では、このプロトコルの処理に欠陥があり、悪意ある要求を送るだけで認証をすり抜け、サーバープロセスの権限でOSコマンドを実行できます。
成功した攻撃で可能になることは以下のとおりです。
- TeamCityに保存された認証情報・シークレットの窃取
- ビルド設定・成果物の改ざん
- 下流CI/CDパイプライン全体への不正コードの注入
- ランサムウェア展開やバックドア設置のための足がかり確立
ビルドサーバーって地味に重要なんでしゅね!攻撃されると本番コードまで汚染されちゃうんでしゅか?
そのとおりだ。CI/CDサーバーはソフトウェアの製造ラインそのものだ。そこを押さえれば、出荷するコード全てに手を入れられる。だからこそ最重大扱いなんだ。
影響バージョンと今すぐ取るべき対応
本脆弱性はTeamCity On-Premisesの全バージョンに影響します。
TeamCity Cloudは既にJetBrainsが対処済みで、クラウド利用者の追加対応は不要です。
| バージョン系列 | 脆弱バージョン | 修正済みバージョン |
|---|
| 2026.1系 | 2026.1.2以前 | 2026.1.3(ビルド222742) |
| 2025.11系 | 2025.11.6以前 | 2025.11.7(ビルド208264) |
本脆弱性はセキュリティ研究者のAntoni Tremblay氏が7月初旬に非公開で報告し、JetBrainsがパッチをリリースしました。
その後CISAが2026年8月5日に既知悪用脆弱性(KEV)カタログへ追加し、米国の連邦民間機関(FCEB)に対して8月8日(BOD 26-04)までのパッチ適用を義務付けています。
CI/CDパイプラインが狙われる理由——サプライチェーン攻撃の温床
TeamCityのようなCI/CDサーバーへの攻撃が近年急増している背景には、攻撃対効果の高さがあります。
ビルドサーバーは開発環境と本番環境の双方にアクセスでき、シークレットやAPIキーを多数保有しているためです。
ビルドサーバーが侵害されると何が起きるか
攻撃者がCI/CDサーバーに侵入した際の典型的な流れは以下のとおりです。
- 保存された本番環境のクレデンシャルを用いてクラウドリソースへ横移動
- ビルドスクリプトに悪意あるコードを挿入し、成果物(コンテナイメージ・パッケージ)を汚染
- サプライチェーン経由で最終的なユーザーへマルウェアを配布
- ランサムウェアをデプロイして開発・本番環境を一括暗号化
2020年のSolarWindsサプライチェーン攻撃も、根本はCI/CDへの不正アクセスが出発点だった。ビルドサーバーをフラットなネットワークに置いておくのは危険極まりないぞ。
じゃあ、TeamCityをすぐアップデートするのはもちろんとして、ほかにも気をつけることがあるんでしゅか?
パッチ以外に確認すべき点
脆弱性対応と並行して、以下の点を確認することを推奨します。
- TeamCityのポート(デフォルト8111)をインターネットに直接公開していないか確認
- 不審なビルドジョブや設定変更がログに残っていないか調査
- 保存されたクレデンシャル(GitHub・AWS・Docker等)の侵害の有無を確認し、必要に応じてローテーション
- JetBrains公式のセキュリティアドバイザリを参照して最新情報を確認
まとめ
CVE-2026-63077は、認証なしで任意のOSコマンドを実行できる最重大クラスの脆弱性です。
CI/CDサーバーはソフトウェアサプライチェーンの中核であり、侵害されれば本番コードの汚染やクレデンシャル窃取が直結します。
TeamCity On-Premisesを利用している組織は、v2025.11.7またはv2026.1.3への速やかなアップグレードが必須です。
パッチを当てるだけでは終わりではないぞ。CI/CDサーバーへのアクセス制御、ネットワーク分離、ビルドログの定期確認——この三点をセットで取り組むことだ。
はいでしゅ!今すぐ社内のTeamCityバージョンを確認してきまでしゅ!
セキュリティエンジニアとしてのスキルを高め、こうした脅威に即座に対応できる力を身につけたい方は、フリーランス案件への参画も一つの選択肢です。