「社内のVPN装置がIvantiだけど、今回の脆弱性は放っておいて大丈夫?」
「パッチを当てたら、それで対応は終わり?」
ボス、IvantiのVPNにまたゼロデイが出たって聞いたでしゅ!
CVE-2026-104935だ。認証なしで外からコマンドを実行される脆弱性で、10月1日から悪用されていた。
パッチが出たなら、当てればおしまいじゃないでしゅか?
そこが落とし穴だ。悪用された装置は、パッチを当てても侵入の痕跡が残っている可能性がある。
Ivanti Connect SecureはリモートアクセスVPNとして国内企業でも広く使われています。
この記事では、今回のゼロデイがどのように悪用され、パッチ適用の先に何をすべきかを整理します。
3行で分かるニュースのポイント
- Ivanti Connect Secureの認証回避の脆弱性CVE-2026-104935が、少なくとも10月1日からゼロデイとして悪用されていた
- 攻撃者は別の2件の脆弱性と連鎖させ、認証なしでroot権限のコード実行に至り、Active Directoryの認証情報を狙った
- CISAは10月13日に既知の悪用された脆弱性(KEV)カタログへ追加し、即時の更新と侵害調査を求めている
読み終えるころには、自社のVPN装置で今日やるべき確認の順番が分かるはずです。
目次
Ivanti Connect Secureのゼロデイ悪用の概要
VPN装置の脆弱性が、修正版の公開前から攻撃に使われていました。
10月1日から始まっていた悪用
BleepingComputerによると、CVE-2026-104935は認証回避の脆弱性で、認証情報を持たない遠隔の攻撃者が任意のコマンドを実行できます。
Security NEXTによると、CVSSv3.0の基本値は8.6で、深刻度は「高」と評価されています。
悪用の時期について、各社の報告は以下の通りです。
- Defused:10月1日から悪用を確認
- Volexity:脅威アクター「UTA0576」による悪用を10月3日から確認
- CISA:10月13日にKEVカタログへ追加
修正版が出る前から攻撃が始まっていた点が、今回のいちばんの問題です。
影響を受けるバージョンと修正版
CISAによると、影響を受けるのは25.1.1.1以前、25.1.2.2以前、22.8R2.4以前のIvanti Connect Secureです。
Security NEXTによると、22.7R2.14以前のバージョンは対象外とされています。
対象と修正版は以下の通りです。
| ブランチ | 影響を受けるバージョン | 修正版 |
|---|
| 25.1系 | 25.1.1.1以前、25.1.2.2以前 | 25.1.1.2、25.1.3.0、25.1.3.1 |
| 22.8系 | 22.8R2.4以前 | 22.8R2.5 |
なお、CISAは22.8系のサポート終了を2027年1月31日としています。
22.8系を使い続けている組織は、更新と並行して移行計画も立てておく必要があります。
まずはバージョンを確かめることだ。話はそれからだな。
脆弱性の仕組みと影響
攻撃は単独の脆弱性ではなく、3段階の連鎖で行われました。
3つの脆弱性を連鎖させたroot権限の奪取
Volexityは、今回の攻撃を「認証回避、リモートコード実行、権限昇格の脆弱性を組み合わせたエクスプロイトチェーン」だと説明しています。
攻撃の流れは以下の通りです。
STEP
認証回避
CVE-2026-104935でログインを経ずに装置へアクセスする
VPN装置は社内ネットワークの入口にあるため、ここを握られると社内への足がかりを与えることになります。
Shadowserverは、Ivanti Connect Secureとみられるインターネット公開ホストを5600台以上観測しています(脆弱かどうかは未確認)。
狙われたのはActive Directoryの秘密情報
Volexityによると、侵入後の攻撃者は、LAPSのパスワードやBitLockerの回復キーを含むActive Directoryの認証情報と秘密情報を狙いました。
さらにCISAは、攻撃者のコマンドがメモリ上で実行されるため、Ivantiの整合性チェックツール(ICT)では悪用を検知できない可能性があると注意しています。
侵害された装置が見つかった場合にCISAが示す対応は以下の通りです。
- 設定をバックアップし、装置を工場出荷状態に戻して最新版に更新したうえで設定を復元する(仮想環境ではインスタンスを再構築する)
- ドメイン、管理者、ローカルの全アカウントの認証情報をリセットする
- 保存された証明書を失効させて再発行し、APIキーとライセンスサーバーの認証情報をリセットする
パッチ適用は入口をふさぐだけで、すでに持ち出された認証情報は戻らない点に注意が必要です。
盗まれた鍵をそのままにして、扉だけ替えても意味はないのだ。
まとめ
Ivanti Connect Secureの認証回避の脆弱性CVE-2026-104935は、少なくとも10月1日から悪用されていました。
攻撃者は3つの脆弱性を連鎖させてroot権限を奪い、Active Directoryの秘密情報を狙っています。
対象バージョンを使っている組織は修正版へ更新したうえで侵害の有無を調べ、侵害が見つかった場合は装置の再構築と認証情報のリセットまで進めることが求められます。
VPN装置は会社の玄関だ。玄関の異変は、最優先で調べろ。
今日中にバージョンを確認して、ログも見てみましゅ!
参考:
BleepingComputer「CISA warns admins to immediately fix Ivanti flaw exploited as zero-day」
CISA「CISA Urges Patching Newly Exploited Vulnerability in Ivanti Connect Secure」
Security NEXT