「SOCのアラート対応、少人数で回すのが限界になってきた…AIで自動化できないの?」
「生成AIをセキュリティ運用に使いたいけど、本当に実用レベルになってるの?」
ボス、ZOZOがClaude CodeでSOC業務を自動化したって話題になってましたでしゅ。3人体制でどうやって実現したんでしゅか?
面白い取り組みだな。ZOZOのSOCチームはZOZOTOWNやWEARなど大規模サービスのアラートを3人で回していた。それをClaude CodeとMCPサーバーを組み合わせて、Tier1相当の初動対応を完全自動化した。
ZOZOは2026年7月13日、情報セキュリティ部がClaude Codeを活用したSOCアラート自動トリアージエージェントを構築した事例を公開しました。
3人のSOCメンバーで大量のセキュリティアラートを処理するという課題に対し、AIエージェントで初動対応を自動化し、人手が必要な判断に集中できる体制を実現した取り組みです。
- ZOZOのSOC(3人体制)がClaude Code × MCPサーバーでTier1アラート対応を完全自動化、24時間365日対応を実現した
- Splunk・OpenCTI連携のSubAgentが自動調査・脅威インテリジェンス照合・優先度評価を行い、重要アラートのみをメンバーに通知する
- すべての権限をRead-onlyに限定し、Hooks機能で不正なSPL・GraphQLを検証するセキュアな設計を採用している
この記事では、ZOZOが公開したSOC自動化の仕組みと設計思想、国内企業が参考にできるポイントを解説します。
目次
3人体制のSOCが直面した課題とClaude Code活用の背景
ZOZOTOWNとWEARという大規模サービスを抱えるZOZOのSOCチームは、日々大量のセキュリティアラートを少数精鋭で処理していました。
SOC3人体制が抱えていた構造的な問題
セキュリティアラートの大量発生は、多くの企業のSOCが共通して抱える課題です。
ZOZOが直面していた主な問題は以下の通りです。
- ZOZOTOWNなど大規模プロダクトから発生するアラートの量が、3人での手動対応の限界を超えていた
- 重要なアラートを見逃すリスクと、アナリストの疲弊によるアラート対応品質のばらつき
- 24時間365日の監視体制を少人数で維持することへの物理的な限界
この課題に対してZOZOが選んだのは、Claude Codeを中心に据えたAIエージェントの構築でした。
すでに問い合わせ調査のリードタイムを平均70%削減するなど、Claude Codeの業務活用で先行していたZOZOの蓄積が、今回のSOC自動化にも活かされています。
70%削減ってすごいでしゅね!でも、AIにセキュリティ判断をさせて大丈夫でしゅか?
そこがZOZOの設計の肝だ。AIに「判断」をさせているのではなく、「初動調査と優先度評価」だけをやらせている。最終的な対応判断は人間が行う。Read権限だけを与えて、書き込みや変更は一切させない設計にしている。
システム構成:Claude Code + 2つのSubAgent + MCP連携
ZOZOが構築したシステムの主なコンポーネントをまとめます。
| コンポーネント | 役割 |
|---|
| メインAgent(Claude Code) | アラート内容を分析し、SubAgentを呼び出して優先度を評価する |
| opencti-agent(SubAgent) | OpenCTI MCPを通じて脅威インテリジェンスを自動取得・照合 |
| log-search-agent(SubAgent) | Splunk MCPを通じてログを深掘り調査 |
| Slack連携 | 調査結果をSlackに自動通知し、SOCメンバーに優先対応が必要なアラートを報告 |
運用コマンドは3種類用意されています。Splunk上のNotableイベントを自動調査する/notable-response、OpenCTIのレポートから脅威ハンティングを行う/threat-hunting、Slackアラートをループ処理する/slack-alert-triageです。
セキュアなAIエージェント設計の3つの工夫
「AIにセキュリティ業務をやらせる」というと、AIが誤った判断をして重大なインシデントを見逃したり、逆に過剰対応したりするリスクを懸念する声があります。
ZOZOはこのリスクを構造的に回避する設計を採用しています。
権限最小化・検証・人間介在の3層構造
ZOZOが採用したセキュリティ設計のポイントは以下の通りです。
- すべてのMCPアクセスをRead-onlyに限定(Splunk: search・get_metadata・indexes_list_all、OpenCTI: Access knowledge role)
- Claude Code HooksでAIが生成したSPL(Splunkクエリ)やGraphQLを実行前に検証し、不正なクエリをブロック
- OpenCTIのTLP:REDデータへのアクセスをグループ権限で制限し、高度機密インテリジェンスの漏洩を防止
「AIが調査して結果を人間に渡す」という役割分担を徹底することで、誤った自動対応が起きないアーキテクチャになっています。
過去の調査履歴をメモリに保存し、段階的な深掘り調査に対応している点も実用的です。
これ、うちの会社でも参考にしたいでしゅ!少人数のSOCでも実現できそうでしゅね!
ふふふ、Splunk と Claude Code があれば似た仕組みは作れる。ポイントは「AIに何でもやらせようとしない」こと。調査と優先度分類だけに絞ったから、実用レベルに仕上がった。AIに過剰な自律性を持たせると、逆に信頼できないシステムになる。
まとめ:AIによるSOC自動化は「人間の判断を補佐する設計」が鍵
ZOZOの事例は、生成AIをセキュリティ運用に実装した国内では先行する実践例です。
3人体制のSOCで24時間対応を実現できた背景には、AIに「調査と優先度分類」だけを担当させ、権限を最小化した堅実な設計があります。
国内でも少人数SOC・MDRコスト削減・アラート対応品質の均一化に悩む企業は多く、このアーキテクチャは参考になります。
ZOZOのテックブログには構成の詳細も公開されており、自社環境への適用を検討する際の起点として活用できます。
セキュリティエンジニアがAIを使いこなす時代が来てるんでしゅね!
ふふふ、使いこなすというより「使い方を設計する」だな。権限を絞り、検証を入れ、人間の判断を残す。これが実用的なAI活用の基本だ。ZOZOはそれを正しく実践した。