2026年7月14日のSAP月例セキュリティパッチデーで、CVSS 9.9という最高水準近くのスコアを持つ脆弱性CVE-2026-44747が修正されました。 SAP NetWeaver Application Server ABAPのメモリ管理に存在する論理エラーで、低権限のユーザーがシステムに侵入していれば、メモリ破損を引き起こし、データの不正アクセス・改ざん・任意コード実行(RCE)に至る可能性があります。 この記事では、脆弱性の仕組みと日本企業が優先すべき対応を解説します。
CVE-2026-44747(CVSS 9.9)はNetWeaver AS ABAPのメモリ管理の論理エラー——低権限ユーザーがRCEまで到達する可能性がある
SAP社はパッチ適用前の暫定措置として、「トランザクションSICFで特定の属性を持つICF(Internet Communication Framework)ノードを無効化する」ワークアラウンドを公表しています。 ただし、このワークアラウンドはHTMLトランザクションの一部機能を無効化するため、業務上のSAPシステム操作に支障をきたす可能性があります。 対応の選択肢は以下の通りです。
最優先:SAP Note 3747367を参照し、修正パッチを速やかに適用する
パッチ適用が困難な場合のみ:SICFのICFノード無効化で暫定対処(業務影響を事前確認)
SAP Basis担当者と連携し、影響を受けるカーネルバージョンの確認を優先的に実施する
まとめ:基幹システムのCVSS 9.9は最優先——ワークアラウンドより正規パッチを
SAP NetWeaver AS ABAPのCVE-2026-44747は、低権限ユーザーが悪用するとメモリ破損を経てRCEまで到達する可能性がある深刻な脆弱性です。 日本の製造業・商社・金融機関などSAPを基幹に据える企業は、SAP Note 3747367を参照しパッチ適用を優先的に進めましょう。 SICFワークアラウンドは業務影響があるため、あくまで正規パッチ適用までの緊急措置にとどめることが重要です。