NEC Atermの脆弱性から学ぶWi-Fiルーターのセキュリティ対策

登場人物紹介

チップス
どんぐり大学卒、一般企業の情報システム部で働く若手エンジニア。
入社1〜3年目らしい悩みを抱えつつ、日々の運用やセキュリティ対応に奮闘中。慌てんぼうだが素直で吸収力が高く、ボスに鍛えられながら着実に成長している。

ボス
セキュリティ、インフラ、運用の修羅場をくぐってきた歴戦のエンジニア。サイバーセキュリティラボの所長でボスと呼ばれている。
現場視点と経営視点の両方から、本当に使えるセキュリティとキャリア戦略を叩き込む。口は悪いが面倒見はよく、若手育成と実践的な情報発信に力を注いでいる。

「家のWi-Fiルーターにも脆弱性って出るの?」
「NECのAtermを使っているけど、何をすればいいか分からない…」

チップス

ボス!
NECのAtermに脆弱性が出たでしゅ!
うちの会社でも使ってるかもしれないでしゅけど、大丈夫でしゅか!?

ボス

Atermは日本で非常に普及しているルーターだ。
今回は21モデルに影響が出ている。
OSコマンドインジェクションを含む深刻な脆弱性だから、早急な対応が必要だな。

2026年4月3日、JVNおよびIPAがNEC Atermシリーズの脆弱性情報を公開しました。
日本の家庭やオフィスで広く使われている製品だけに、影響範囲は非常に大きいといえます。
この記事では脆弱性の内容と、利用者が取るべき具体的な対策を解説します。

  • NEC Atermシリーズ21モデルに5件の脆弱性(OSコマンドインジェクション等)が発見された
  • LAN側からの攻撃で任意コマンド実行やファイル改ざんのリスクがある
  • 12モデルは修正ファームウェア提供済み、残りは回避策で対応が必要

自宅やオフィスでAtermを使っている方は、ぜひ最後まで読んで対策を確認してください。

目次

NEC Atermシリーズに発見された5件の脆弱性の概要

今回公開された脆弱性は、JPCERT/CCの調整の元でJVN(JVN#89339669)として公表されました。

OSコマンドインジェクションを含む5つのCVE

Atermシリーズには以下の5つの脆弱性が存在します。
なかでもOSコマンドインジェクション(CVE-2026-4620、CVE-2026-4622)は、攻撃者がルーター上で任意のコマンドを実行できるため、影響が深刻です。

CVE番号脆弱性の種類想定される影響
CVE-2026-4309認可チェックの欠如設定の不正変更
CVE-2026-4619パストラバーサル任意ファイルの上書き
CVE-2026-4620OSコマンドインジェクション任意コマンドの実行
CVE-2026-4621隠し機能(CWE-912)telnetサービスの有効化
CVE-2026-4622OSコマンドインジェクション任意コマンドの実行

重要なポイントとして、これらの脆弱性はLAN側からの攻撃を対象としています。
インターネット(WAN側)から直接攻撃されるわけではありませんが、すでにLAN内に侵入されている場合や、悪意あるWebページ経由のCSRF攻撃と組み合わされるリスクは残ります。

チップス

LAN側だけって聞くと安心しそうになるでしゅけど、社内に侵入されてたらアウトってことでしゅよね…。

ボス

その通りだ。
LAN側だからといって放置していい理由にはならない。
多層防御の考え方を忘れるなよ。

影響を受けるモデルと具体的な対策方法

NECは影響を受ける21モデルのうち、12モデルに修正ファームウェアを提供しています。

ファームウェア更新と回避策

修正済みファームウェアが提供されている主なモデルと対象バージョンは以下の通りです。

  • WX3600HP:バージョン1.5.3以降
  • WX3000HP2:バージョン1.3.2以降
  • WX1500HP:バージョン1.4.2以降
  • WG2600HP4:バージョン1.4.2以降
  • WG2600HS2:バージョン1.3.2以降
  • WG2600HS:バージョン1.7.2以降

自動バージョンアップ機能が有効なら、すでに更新されている場合もあります。
手動の場合は、Atermの管理画面からファームウェアバージョンを確認してください。
修正版が提供されていない機種を使っている場合は、以下の回避策を実施しましょう。

  • 管理者パスワードを初期値から堅牢なものに変更する
  • Wi-Fi接続用の暗号化キーも初期値から変更する
  • サポート終了モデルは買い替えを検討する

ルーターは「設置したら終わり」になりがちな機器です。
定期的なファームウェア確認を習慣にすることで、脆弱性を放置するリスクを大幅に減らせます。

まとめ

ボス

ルーターはネットワークの入口だ。
ここに穴があれば、どれだけ端末を守っても意味がない。
ファームウェアの更新は、セキュリティ対策の基本中の基本だぞ。

チップス

うう…実家のAtermも初期設定のままかもしれないでしゅ…。
帰ったらすぐ確認するでしゅ!

NEC Atermシリーズの脆弱性は、OSコマンドインジェクションを含む深刻な内容です。
日本の家庭やオフィスで広く使われている機器だからこそ、対象モデルに該当するかの確認を急いでください。
修正ファームウェアが出ていれば更新、出ていなければパスワード変更と買い替え検討が必要です。
詳細はJVN(JVN#89339669)およびNEC公式セキュリティ情報(NV26-001)で確認できます。

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この記事を書いた人

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